Free豚熱、青森県内で初確認 階上の野生イノシシ感染
青森県は6日、階上町で死んだ状態で見つかった野生のイノシシ1頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。感染確認は県内初。これまでに養豚場全73農場(約37万頭)から異常の報告はない。9日にも生産者らを集めた会議を開き、飼養衛生管理基準の順守や防護柵の設置の徹底など感染防止対策を呼びかける方針。
イノシシは体長90センチ、体重40キロ程度の雌の成獣。3日、町郊外の空き地で町民が死骸を発見し、役場を通して八戸家畜保健衛生所に通報した。4日に中央家畜保健衛生所(青森市)の遺伝子検査で陽性となり、6日に国の研究機関で豚熱と確定した。
県は同日、特定家畜伝染病防疫指針に沿って、発見場所から半径10キロ圏内の10農場(約6万1千頭)に異常がないかを確認。庁内関係部局による連絡会議を開き、情報共有した。
県畜産課の田中慎一課長は取材に「ウイルスの初確認に危機感を持っている。生産者や関係機関と連携してレベルの高い対策を講じていく」と述べた。
県内では養豚場でワクチン接種を義務づけているほか、野生イノシシの対策として、2023年度からワクチンを入れた餌の散布に取り組む。24年度は7月に八戸市や階上町など県南6市町村で実施し、秋にも予定する。
岩手県北では5月28日に洋野町の養豚場で感染を確認。野生のイノシシの感染も相次いでいた。