Free【みちのく生き物観察記】クサフグ
陸奥湾の浅瀬をのぞくとたくさんの小魚が泳いでいる。魚種までは判別できないものがほとんどだが、その中でも一目でわかるのがクサフグだ。5~10センチほどの小魚ながらフグ独特の丸っこい体と草色の背に斑点、そして胸びれ後方の体側に黒色斑を持つ。
青森県から沖縄まで内湾の浅瀬に広く分布する。下北半島の南西端、九艘泊でイルカやクジラを探して疲れた目を水面に落とすと、たくさんのかわいいクサフグが泳いでいて癒やされる。
とはいえクサフグもほかのフグ同様、テトロドトキシンという猛毒を持っている。筋肉は弱毒だが皮と内臓に猛毒を蓄えているようだ。磯釣りの外道として上がることがあるが、小さいからといって無毒ということはないので気を付けたい。