Free【みちのく生き物観察記】クサフグ

体の上方の斑点と胸びれ後方の黒斑が特徴のクサフグの稚魚=5月、むつ市脇野沢九艘泊
体の上方の斑点と胸びれ後方の黒斑が特徴のクサフグの稚魚=5月、むつ市脇野沢九艘泊

陸奥湾の浅瀬をのぞくとたくさんの小魚が泳いでいる。魚種までは判別できないものがほとんどだが、その中でも一目でわかるのがクサフグだ。5~10センチほどの小魚ながらフグ独特の丸っこい体と草色の背に斑点、そして胸びれ後方の体側に黒色斑を持つ。

 青森県から沖縄まで内湾の浅瀬に広く分布する。下北半島の南西端、九艘泊でイルカやクジラを探して疲れた目を水面に落とすと、たくさんのかわいいクサフグが泳いでいて癒やされる。

 とはいえクサフグもほかのフグ同様、テトロドトキシンという猛毒を持っている。筋肉は弱毒だが皮と内臓に猛毒を蓄えているようだ。磯釣りの外道として上がることがあるが、小さいからといって無毒ということはないので気を付けたい。

 
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