Free【みちのく生き物観察記】イトマキヒトデ

濃い青の五角形にオレンジ色の模様が鮮やかなイトマキヒトデ=5月、むつ市九艘泊
濃い青の五角形にオレンジ色の模様が鮮やかなイトマキヒトデ=5月、むつ市九艘泊

前回に続き下北半島の生き物を。こちらは前回のキタムラサキウニと同じ棘皮(きょくひ)動物のイトマキヒトデ。とはいえこちらには棘(とげ)はなく平べったい星型。それでも外形や器官が5方向に放射状に配列され、表皮の下に石灰質の骨板、体表に管足という伸縮する多数の細管を持つなど棘皮動物の特徴を持つ。

 濃い青色にオレンジ色の模様を持つイトマキヒトデは全国の砂地や岩場に普通に見られる。水族館では触ることができ、その形から子どもたちには人気者。カニや海藻、動物の死骸など雑食性で海の掃除屋ともいわれるが、アワビなどの貝類を食べるので漁業者には嫌われる。

 一般に食用にはしないものの、九州地方では生殖巣を塩ゆでして食べるという。体に持つサポニンなどの成分でカラス除けや害虫忌避になるという研究も行われている。

 
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