Freeニッコウキスゲ、たくましく 六ケ所村の群生地

群生するニッコウキスゲ=12日、六ケ所村平沼地区

ニッコウキスゲは六ケ所村の花。だが、村内で目にする機会は少なくなっている。群生地が減少したためだ。12日、植物に詳しい環境科学技術研究所(同村)の研究員、山上睦さん(63)に、群生地に案内してもらうと、そこには見頃を迎えた黄色い花がたくましく咲いていた。

 案内してもらったのは村内2カ所の群生地。このうち、むつ小川原開発地区内にある平沼地区の群落は、かつて田んぼだった場所だ。

 草が生い茂る1ヘクタールほどの広さで、高さ約1メートルのニッコウキスゲが一面を彩っていた。山上さんは「20年くらい前からここで観察しているが、花が増えも減りもしない。なぜここに群生しているのか、理由は分からない」と不思議がる。

岩肌に咲くニッコウキスゲ=12日午後、六ケ所村泊

もう一カ所は泊地区。太平洋側を望む岩肌で草木に交じり、たくましく咲き誇っていた。

 村史によると、ニッコウキスゲは「カンショの花」などと村民に呼ばれて親しまれ、かつては全域で見受けられた。山上さんによると、生育に好ましい湿地が少なくなったのが群生減少の大きな理由。人の手が加わった草地も群生に適するが、それもなくなってきたという。山上さんは「村の花を保護して、もっと増やしていければ」と語る。

 花は6月いっぱい咲いているという。

 
お気に入り登録