Free「農泊」受け入れ増へ課題は? 青森県が研修会/南部町
農山漁村を訪れて観光や農業体験などを楽しむ「農泊」の国内外からの受け入れ拡大に向け、青森県主催の研修会が10日、南部町いちょうホールを主会場に開かれた。農泊を活用した教育旅行は受け入れ農家の高齢化などにより、宿泊先の確保が課題に上っている。関係者が来県の多い台湾を中心とした食事や体験活動の充実などを学び、地域内での協力態勢を考えた。
教育旅行における県内農林漁家民宿宿泊者数は2017年度の5273人が過去最多。20年度は感染症拡大による中止が相次いだが、23年度受け入れ人数は国内外から1991人(暫定値)と回復途上にある。
研修にはオンラインを含め県内約80人が参加。青森中央学院大の黄麗霞(こうれいか)台湾担当マネジャーは「青森のリンゴは有名。農業体験の評判は高く、リピーター校が多い」と説明。文化の違いから、銭湯や寝室の配慮が必要だとした。
青森中央短期大食物栄養学科の池田友子特任講師は、宗教的理由を踏まえた郷土料理などを紹介。価格や入手しやすさなど、受け入れ側の負担が過重にならないよう助言した。
県などによると、学校側は240人以上の生徒を一度に泊めるよう希望することが多いという。三八地域で受け入れ可能な人数は150人程度とされ、参加者からは「高齢化で受け入れが難しくなっている」と意見が出た。
コロナ禍で受け入れを停止している農家がいることに触れ、県は「新規参入増を目指すとともに、受け入れ実績のある農家の連携を図る。行政としても協力していきたい」との考えを示した。