Free「今だけ」「ここだけ」を重視 推進協が行動計画/三陸復興国立公園
環境省が進める「国立公園満喫プロジェクト」で、三陸復興国立公園の関係機関・団体でつくる推進協議会(会長・田村省二東北地方環境事務所長)は25日、岩手県大槌町で会合を開き、保全と利用促進に向けた行動計画「ステップアッププログラム2025」(2023~25年度)を承認、決定した。多様な主体が連携し実施を検討するハード、ソフト両面での70の取り組みを設定。「今だけ」「ここだけ」しか体験できないコンテンツの造成などにより、地域資源の魅力を引き出し、上質なツーリズムの実現を目指す。
青森、岩手、宮城3県にまたがる同国立公園でのプログラム策定は初めて。
「自然の恵みと脅威、人と自然との共生により育まれてきた暮らしと文化が感じられる国立公園」がコンセプト。25年の数値目標は、訪日外国人利用者数を新型コロナウイルス感染拡大前の19年の2万3千人まで、国内利用者数を三陸復興国立公園改編後の13年以降で最多だった19年の410万人まで回復させる。
数値目標、質的目標の達成へ、▽多様な連携による魅力づくりや誘客プロモーションの実施▽自然と調和し地元に還元される「持続可能な観光」の実現―など六つの方針を定めた。
地域別の優先的・重点的な事項も盛り込んだ。北部地域(八戸市、階上町)は、質の高い自然体験ができる宿泊施設の再整備・誘致を検討するほか、滞在時間の長期化に向け、夜や早朝時間帯の体験、土地の生活を体験できるガイドプログラムの造成など、15の取り組みを掲げた。
中部地域(久慈市~岩手県陸前高田市)では、野営場や海水浴場のトイレ洋式化、キャンプの多様化に応じた新サービスの検討など、17の取り組みを挙げた。
田村会長は取材に「魅力を発信する上での関係者のよりどころができた」と述べた。