Free女性解放運動の功績、熱演 劇団やませ新作「ひたむきに生きて」/八戸

「ひたむきに生きて」の一場面
「ひたむきに生きて」の一場面

八戸市の劇団やませ(大舘登美子代表)22、23の両日、市公民館で本公演「ひたむきに生きて―永嶋暢子(ようこ)と婦人解放運動―」(佐々木功作・演出)を上演した。大正から昭和初期、女性解放運動に身を投じた八戸出身の永嶋暢子(1897~1946年)の半生を芝居に乗せて届けた。

 同劇団は毎年地元ゆかりの人物を題材に公演を開催し、今回は2019年以来の新作。永嶋は青森県立実科高等女学校(現県立八戸東高)卒業後に上京し、雑誌での執筆活動などを通して女性解放運動にまい進。満州に渡った晩年も、厳しい社会情勢の中、立場の弱い人のために奔走した。元八戸市議の故岩織政美さんの研究などにより、近年功績が再評価されている。

 舞台は、アナキストとして社会運動に関わった八木秋子が、青年に友人の永嶋との思い出を語りながら始まる。活動家として、一人の女性として悩みながら、強く生きた永嶋の生きざまに観客は思いをはせた。

 八木秋子関連の書籍の編集発行に携わり、物語に登場した青年のモデル相京範昭さん(73)=横浜市在住=も観劇し、「資料などをよく読み込み舞台をつくってくれて感動した。素晴らしかった」と絶賛。大舘代表は「岩織さんが追いかけた永嶋と、相京さんが追いかけた八木を皆さんに伝えられたと思う。今後も新作に挑戦し、自分たちの舞台をつくり上げていきたい」と意気込んだ。

 
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