Free【北奥羽の地名】石ケ戸(いしげど、十和田市)/盗賊伝説残る岩の小屋

北奥羽の地名
北奥羽の地名

石ケ戸は十和田八幡平国立公園を流れる奥入瀬渓流の観光スポット。「けど」は方言で小屋を意味し、板状の大きな岩がカツラの木に支えられ、小屋のような形になっていることに由来する。

 歌舞伎の「新板越白浪」に登場し、越後の笠松峠で旅人を襲う女盗賊「鬼神のお松」の伝説が残る。観光バスの団体客がガイドに案内され、伝説に耳を傾けながら写真に収めていく。

 近くを流れる石ケ戸の瀬は、緩急の流れが特徴。地元の自然保護団体「八甲田・十和田を愛する会」代表の久末正明さんによると、かつては岩の前に広がる緩やかな流れは今より深く、うっそうとした森林が魅力だった。最近は倒木や中州の形成により、姿を変化させている。

 久末さんは「中州に木が生えれば、今後も変化していくのではないか」と語る。石ケ戸には駐車場や渓流内唯一の休憩所や売店があり、休憩のために立ち寄る観光客が多い。

 
お気に入り登録