Free【山のまなびやの夏】プール清掃 地域住民が協力
「おーい、ふざけていると転ぶぞー」
デッキブラシでプールの底をこする大人が、水しぶきを上げながら駆け回る子どもたちに声をかける。
「大丈夫、大丈夫」
子どもたちは水の中から足の生えたオタマジャクシを手ですくい上げ、バケツに入れては満足げに笑みを浮かべていた―。
田子町の旧上郷小で7月16日に行われたプール清掃。統合前は毎年6月、児童と教職員が協力してプールをきれいにするのが恒例行事だった。今回は地域住民が声をかけ合い、約30人が集まった。
午前10時ごろ作業が始まり、まずはプールサイドに生えた草をむしる。続いてプールの水を抜き、洗剤をまいてデッキブラシで土を落としていく。卒業生の住民は慣れたもので、子どもたちにやり方を教えながら和やかに清掃が進んだ。
田子小1年の久保宇汰さん(7)は「オタマジャクシを20匹は捕まえたよ。掃除も頑張る」と笑顔。
様子を見守る母の成子さん(33)は「みんなが協力する上郷の雰囲気を感じられる機会。宇汰も楽しそう」と目を細める。
プールは水をためて水質を調整し、8月5日から本格的に開放する。11日にはSUP(スタンドアップパドル)の体験会も行う予定という。
旧上郷小の活用を目指す住民団体「ネクスト上郷」の梅内義幸さん(48)は「上郷は美しい山のロケーションが自慢。町外の人や大人にもプールに来てもらい、関心を持ってほしい」と意気込む。
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昨年度末で学校統合により廃校となった田子町の上郷小と清水頭小。山あいの豊かな自然に囲まれたまなびやを活用しようと、地域住民が動き出している。今夏の両地域の活動を紹介する。
※随時掲載