Free「当事者の立場で寄り添って」 引きこもりの現状、講演通じ学ぶ/洋野
洋野町のNPO法人「エンパワメント輝き」(大光テイ子理事長)は10日、町民文化会館で「ひきこもりの理解を深めるための普及啓発講演会」を開いた。町民ら約40人が参加し、引きこもり当事者や家族に対する支援の在り方について学んだ。
函館市を中心に活動する、道南ひきこもり家族交流会「あさがお」共同代表の安藤とし子さんが講演。今まで受けてきた相談事例を紹介しながら、内閣府の調査などを引き合いに、引きこもりの現状について解説した。
安藤さんは、引きこもりの原因について、▽心の不調や病気▽家族の不理解や過干渉▽いじめや不登校―など多様で、当事者が精神疾患や発達障害を抱えていることが多いと指摘。2016年に内閣府が調査した、全国115万人とされる当事者数より「潜在的にはもっと多いはずだ」と語った。
その上で、家族が当事者に対し「仕事をしてほしい」などと干渉することは、「大きな事故に遭い、やっと一命を取り留めた子どもに、いきなり仕事をしろと言うようなもの」と一蹴。当事者を追い詰めるのではなく、当事者の立場で寄り添い、個々それぞれの支援を考えていくことが大切だ―と語りかけた。
参加した町内の50代女性は「目からうろこの話があり、引きこもりに対する認識が変わった。町の支援ボランティアに参加しているので、大いに参考にしたい」と話していた。