Free【月刊Dash】高校野球注目選手 最上晴太(工大一)

最上晴太
最上晴太

一発に加え、確実性も兼ね備える今大会を代表する左のスラッガー。打席での身上は「強くフルスイングすること」だ。「チームを勢いづける打撃をしたい」。工大一打線の4番としての自覚を胸に、力を尽くす。

 工大一OBの兄莞太さんの背中を追い、強豪の門をたたいた。中学までは遊撃手だったが、体験入学の際に自分の技術では通用しないと感じ、外野手に転向。新チームが始動した昨秋からレギュラーを勝ち取り、チーム事情などもあって現在は1塁を守っている。

 昨秋の青森県大会は打撃好調で、勢いそのままに東北大会に乗り込んだ。しかし、力みから自分の打撃スタイルを見失い、4三振と全く振るわず。守りでもチームの足を引っ張ってしまった。

 その悔しさから、冬場は人一倍努力した。「長打の前にまずは単打を」。スイングを動画撮影し、フォームを徹底的に分析した。長谷川菊雄監督には自らアドバイスを求めることも。「体が前に突っ込む」という不調時によく現れる癖を改善するため、軸足で回転する意識を持ってバットを振り込んだ。

 積み重ねた努力は今春、はっきりと結果として表れる。県大会、東北大会では2本塁打、打率は5割近くをマーク。食事にも気を使ったことで体重は4キロ増加し、「打球には力強さが増した」。長谷川監督も「秋から春にかけて一番成長した選手」と認める。

 “最後の夏”が間もなくやって来る。「甲子園に行ってお世話になった先輩や保護者の方々に恩返しができれば」。最も頼れる男はチームを2010年以来13年ぶりの優勝へ導く覚悟だ。

 ◇もがみ・せいた 学年:3年 出身校:三沢二 身長/体重:188センチ/77キロポジション:一塁手 投打:右投げ左打ち

 
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