Free【みちのく生き物観察記】ウグイ

蔦沼から流れ出す浅瀬に集まり産卵するウグイ。浅瀬は鮮やかな婚姻色に染まる=2023年5月、十和田市の蔦沼

桜のころ繁殖期を迎え、鮮やかに婚姻色が出るので花ウグイといわれるコイ科の魚。南八甲田の蔦沼では5月下旬、沼から流れ出る浅瀬にウグイが集まって産卵をした。

蔦沼は本来、魚のいない沼にイワナやコイが移され、現在は奥入瀬漁協がヒメマスの放流をしている。ウグイは放流したわけではないが、数年前から目立つようになったという。

漁協もヒメマスの生育に影響を与えるかと投網で駆除を試みたが、効果はいまひとつ。恐山の宇曽利山湖の強酸性にも対応するウグイにとっては、この環境は天国なのかもしれない。

蔦沼といえば水鏡に映る紅葉が有名だが、ウグイは水面に波紋をつくり、それを邪魔するとの写真愛好家も。どこからか紛れ込んだウグイが観光にも思わぬ波紋を広げるかもしれない。

 
お気に入り登録