Free大型イカ釣り漁船、八戸出港 「第30開洋丸」北太平洋へ
国内唯一の大型イカ釣り漁船「第30開洋丸」(349トン)が13日、北太平洋の船凍ムラサキイカ漁のため、八戸港を出発した。近年はすしネタや刺し身など生食での需要が高まっており、不漁が続くスルメイカに代わる魚種として期待値が高い。関係者は「昨季以上に消費拡大に努めたい」と意気込む。
ムラサキイカは、他種との差別化を図るために昨年、流通上の呼称を「アカイカ」から変更。加熱しても身質が柔らかく、総菜など加工原料として使われることが多かったが、近年は生食の引き合いも強い。
八戸港は船凍ムラサキイカの水揚げ数量が日本一。昨季は、大手回転すしチェーン店が商材としたことなどから高値での取引が続いた。
第30開洋丸を運用する開洋漁業(八戸市)の河村桂吉社長は、今回の操業について「350トンの水揚げが目標。今年は関係者へさらにPRして周知を図り、八戸や漁業者を活気づけたい」と話した。
船は13日午前9時すぎ、八戸港を出発。家族や市場関係者らが見守る中、外洋へ向かった。漁場へは10日ほどで到着する見込み。
八戸港所属の中型船17隻も5月中に出港予定。全船が同様に北太平洋でムラサキイカ漁を行う。