Free変わる日本語「受け入れて」 国語辞典編さん者の飯間氏講演/本社政懇
デーリー東北政経懇話会3月例会が27日、八戸パークホテルで開かれた。日本語学者で、国語辞典編さん者の飯間浩明氏が「日本語の変化とつきあうコツ」と題して講演。言葉の意味や用法は時代とともに変わるとし、「変化を当然のものとして受け入れる心構えが必要」と主張した。
三省堂国語辞典の編集委員を務める飯間氏は、2021年改訂の第8版に収めた約8万語には、ひょっとしたらを意味する「ワンチャン」など新語約3500語を収録したと説明。「数年ごとの改訂でそれだけの日本語が変わっている」と解説した。
新語を集める「用例採集」の作業では、活字や書籍からだけでなく、街中を歩いて収集することが新たな発見につながるとし、「面白いものに出合うことがある。その言葉の意味を考えながら観察している」と語った。
一方、同じ言葉でも時代を経て意味合いが変わるケースを紹介。例として▽テレビや携帯電話、インターネットなど社会との関わりが深くなった言葉は語釈が増えた▽恋は多様性への配慮から(男女の間で)という文言を削除し、結婚やあいびきの語釈も併せて見直した―と明かした。
飯間氏は「新語が勢力を伸ばすことを変化だと思う人が多いが、日本語は時代とともに丸ごと変わっている」と指摘。「言葉が変わるのは当然と思うのが付き合い方」と強調した。