青森県立八戸商業高（田中正也校長）商業科３年の浜道真穂さん（１８）が、全国商業高校協会主催の検定試験全９種目で１級に合格した。３年間かけて制覇したもので、県内では２０１１年度以来、１１年ぶりの快挙。浜道さんは「目標を無事達成できた安心感がある」と頰を緩めた。

　浜道さんが取得したのは、ビジネス計算、珠算・電卓、簿記、ビジネス文書、英語、情報処理プログラミング、同ビジネス情報、商業経済、会計（財務諸表分析、財務会計、管理会計）の９種目。本年度は全国で７０人、県内では浜道さんただ一人の「九冠」達成だった。

　既に５種目を取得していた２年時、２１年度の９種目１級合格者が東北６県でゼロだったことを知り、「商業高校でしかできないことを最後までやり切ろう」と決意した。

　定期試験と検定の時期が重なったり、検定の間隔が短かったりと苦労も多かった。それでも３年生になってからは少なくても１時間、多い日は１０時間、毎日勉強に励んだ。「自分の苦手な部分を分析し、克服できるように取り組んだ」。

　高校入学まで、そろばんに触れたことがなかった浜道さんにとって最難関のビジネス計算実務検定試験（珠算）は昨年１１月、３回目にしてなんとか合格。商業科では学ばないプログラミングは、ほぼ独学で学習し、今年１月に最後の情報処理検定試験（プログラミング部門）をクリアした。

　浜道さんは４月から県外の大学に進学する。「将来は公認会計士になりたいので、この経験を生かして大学でも頑張りたい」とさらなる活躍を誓った。