Free春呼ぶ音色、屋根の下でも 休日の中心街、イベント盛況/八戸えんぶり

八戸えんぶり3日目はあいにくの雨。休日が重なり、屋内施設のイベントには多くの市民が詰めかけた=19日、八戸市のマチニワ(岸山浩之撮影)
八戸えんぶり3日目はあいにくの雨。休日が重なり、屋内施設のイベントには多くの市民が詰めかけた=19日、八戸市のマチニワ(岸山浩之撮影)

八戸えんぶり3日目の19日、八戸市内では各えんぶり組がイベント出演や門付けのため、各地に繰り出し、雨が降る中、春をいざなう、にぎやかなお囃子(はやし)を響かせた。

 開幕から続いた穏やかな天候は一転。この日はあいにくの空模様となったが、休日とあって、中心街でさまざまな催しが行われた。

 創業104年の柏木旅館では、半世紀上前に途絶えたお庭えんぶりが、青森県内外の有志の手で復活。昼の部では、横町えんぶり組の太夫が中庭で、力強い摺(す)りを見せた。子どもたちも元気いっぱいの祝福芸で集まった約30人を魅了した。

 同組の髙橋一義代表親方は「雪なら我慢できるが…」と冬の雨に苦笑い。「新型コロナで中止していたことを思うと、えんぶりをできること自体がうれしい」と頰を緩めた。

 屋内施設は盛況だった。マチニワでは、仲町えんぶり組などが演目を披露。観客で2階まで埋まった。両親や妹と訪れた市立根城小1年の鳥谷部尚真君(7)は「えんぶりに来るのは3日連続。(太夫が)烏帽子(えぼし)を揺らすところが格好良い」と目を輝かせた。

 一方、市庁前市民広場は人がまばら。えんぶりの一般公開の場所を、屋根のある本館玄関前に変更するなど、関係者が雨天対応に追われた。

 八戸地方えんぶり保存振興会事務局によると、3日目の入り込み数は3万1千人で、前回の2020年を7千人下回った。

 最終日の20日は、一般公開(市庁前市民広場)、お庭えんぶり(更上閣)、かがり火えんぶり(市庁前市民広場)が行われ、4日間の日程に幕を閉じる。

 
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