Free大豆の生産拡大へ事例学ぶ 東北農政局がセミナー/青森
ロシアのウクライナ侵攻で輸入農作物の需給環境が大きく変化する中、需要が高まる国産大豆の生産拡大を図ろうと、東北農政局は3日、青森市で「東北大豆セミナー」を開いた。農業団体や生産者ら約70人が出席し、国産大豆の需要動向や栽培の優良事例を学んだ。
農林水産省によると、大豆の自給率は7%。健康志向の高まりもあり、今後需要が増加する見込みで、主食用米からの転作を促すなどして生産拡大に取り組む。東北地方は国内の作付面積の25%を占めるが、平均収量は全国平均を下回り、栽培技術の確立が課題となっている。
セミナーでは、太子食品工業(三戸町)の佐藤宏介調達部長が「国産大豆に望むこと」をテーマに講演。2021年度に使用した2万トンの大豆のうち、7千トンが国産で、「おいしくて安心という国産のニーズは高まっている」と指摘する。
ただ、そのうち64%が北海道産で、青森県産は20%にとどまる。北海道産が多い理由について「品質が安定している」とし、「同一産地で品質をそろえることで、使いやすくて、産地をアピールした商品もできる」と助言した。
そのほか、農林水産大臣賞を受賞した大豆生産者の野呂修聖さん(つがる市)が土壌改良や雑草管理などの生産方法を解説。「低コストで収益性が見込める。水田をどう守るか考えた場合に大豆が一番だと思う」と述べた。