Free3年後の国スポへ決意新た フィギュア・木村(八学光星高3年) 八戸国体を裏方で支える
国体フィギュア会場で競技運営を支える裏方の一人が、競技歴9年の木村哲太(八戸学院光星高3年)だ。国体少年男子への出場資格はあるが、エントリーに必要な“もう一人”が地元におらず、この3年間で国体出場はゼロ。高校最後の今季は先のインターハイにも選手数抑制の影響で出られず、無念のシーズンとなった。「悔しいけれど仕方ない。“3年後”には必ず…」。氷の補修を手伝いながら、八戸市で開催予定の2026年国民スポーツ大会(国スポ)への決意を新たにしている。
競技を始めたのは八戸市立青潮小3年の頃。「リンクに行った際、スピンやジャンプをしている選手がいて、格好良く見えた」からだ。これまで水泳、空手、剣道なども経験したが、今はフィギュアに専念する。
もっとも、青森県内の同世代には男子選手がいない。国体少年は中学3年~高校3年の「2人」でのエントリーが必要だが、この3年間は県予選のみの出場。今年も本番の出場機会には恵まれなかった。
昨季まで出場していたインターハイも、今季は開催地選定が難航。昨秋、埼玉県が引き受けるに当たって大会規模縮小を条件としたため、男子は出場要件が「バッジテスト7級」に引き上げられ、出場選手数も例年の半分に制限された。
木村は今季、「6級」を取得し、昨季以上の順位を目指していたが、“大人の事情”で出場断念を余儀なくされた。
高校最後の今季、全国大会には一つも出られなかった。国体で裏方作業の合間に全国トップクラスの選手の演技を見ながら、こう思った。「好きな競技だから続けてきたけれど、やっぱり、この舞台に自分も立ってみたかったな」
今春には八戸学院大に進み、競技を続ける。来年以降の国スポに出場する場合のカテゴリーは成年に上がる。現時点で県内の成年の選手はゼロだが、関係者によると、過去に全国大会出場歴のある地元男性が、現役復帰の準備を進めている―という明るい材料もある。木村は「(26年)国スポに出られたら最高。その時にもっと高いレベルの演技ができるよう、今後も練習に励んでいく」と話している。