Free価値磨き上げへ関係者が展望紹介 縄文遺跡群、世界遺産1周年フォーラム/東京

講演する鈴木地平文化財調査官=29日、東京都内
講演する鈴木地平文化財調査官=29日、東京都内

「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界文化遺産登録1周年を記念したフォーラムが29日、東京都内で開かれた。登録に向け奔走した関係者が、講演などを通じ、価値のさらなる磨き上げへの展望を首都圏の縄文ファンに紹介した。

 青森など4道県と遺跡所在自治体でつくる縄文遺跡群世界遺産本部が主催。都内でのフォーラムは登録後初めてで、本部長を務める三村申吾知事は「応援いただいた皆さまに報告できることが大変うれしい。遺産をしっかり守り、価値や魅力を国内外に積極的に発信したい」とあいさつした。

 講演には2氏が登壇。文化庁の鈴木地平文化財調査官は登録の意義を強調しつつ、縄文時代の認識に関し「単一民族が単一文化を形成していたわけではない」とした。全国に点在するほかの遺跡についても「うまく光を当て地域の宝として活用したい」と意欲を示した。

 三内丸山遺跡センター(青森市)の岡田康博所長は「世界遺産になって終わりではない。魅力はまだまだ磨くことができる」と述べ、今後の課題に高齢化や遺跡の再整備などを挙げた。

 講演後は両氏と学識者による意見交換が行われ、フォーラムに参加した約600人が悠久の人類史に思いを巡らせた。

 
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