Free全国料理コンで初の日本一 百石高の田中さん、種市さん快挙
10月に青森市で開かれた「全国高校生クッキングコンテスト」で、青森県立百石高(志村博校長)食物調理科3年の田中寛大さん(18)と種市蒼さん(18)の2人が最高賞の文部科学大臣賞に輝いた。県教委によると、県内からは初の受賞で、同校にとって念願の日本一だ。2人は「自分たちの力だけでは獲得できなかった。みんなに感謝したい」と喜びをかみしめている。
コンテストは第32回全国産業教育フェア青森大会(同実行委員会主催)の一環。地場産品を生かした料理のアイデアや技術を競う大会には全国から20組が応募。書類審査を突破した6組が10月16日、青森市で最終審査に臨んだ。50分以内に3食分を調理するほか、プレゼンテーションも行う。
今回のテーマは「高校生が元気になるランチ」。2人は野球部の友人を思い浮かべ、「胃袋場外ホームランチ」を考案。バラ焼き風味の肉巻きおにぎり、野辺地町産の小カブを使ったかぶら蒸しなど食欲がそそられるメニューにした。
毎日のように試作、改良を重ねて挑んだ本番。課題としていた制限時間もクリアし、プレゼンでは野球帽とバットを使い、会場を盛り上げたという。2位まで名前が呼ばれず、入賞を諦めかけたが、1位で呼ばれた。2人は「びっくりした。先生や家族が喜んでいたのがうれしかった」と振り返る。
2人は2日、県教育庁に和嶋延寿教育長を訪ね、受賞を報告し、日本一に選ばれた自慢のメニューを振る舞った。和嶋教育長は「味が濃すぎず、いくらでも箸が進む」と絶賛した。
田中さんは八戸市の日本料理店、種市さんは東京都の専門学校にそれぞれ進む予定。「お客さまの要望に応える料理人を目指す」(田中さん)、「たくさんの料理を学び、より多くのお客さまに喜んでもらいたい」(種市さん)と今後の目標を語った。
和嶋教育長は「素晴らしい結果は、これまでの努力のたまもの。さらに技術を磨き、新たな道へ進んで活躍してほしい」とエールを送った。