Free縄文遺跡の保存、活用法探る 世界遺産登録1周年でフォーラム
「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界文化遺産登録1周年を記念したフォーラムが30日、青森市で開かれた。構成資産となっている県内の遺跡関係者が講演や意見交換を通じ、遺跡の保存や活用方法、情報発信などについて今後の在り方を探った。
フォーラムは縄文遺跡群世界遺産本部が主催。午前、午後の2部構成で計80人が来場した。
午前は世界遺産登録に尽力してきた、縄文遺跡群世界遺産協議会の岡田康博会長(三内丸山遺跡センター所長)が講演し、登録後の観光客や見学者の増加など構成資産への波及効果を紹介。一方で「追い風はいつまでも続かない」とし、今後に向けて「発掘調査や研究で資産価値を高め、繰り返し来たいと思えるよう工夫しなければならない」と指摘した。
午後は遺跡を有する自治体の関係者、各遺跡のボランティアガイドらによるパネルディスカッションが行われた。七戸町の二ツ森貝塚について、同町教委世界遺産対策室の小林由夏主査は「貝塚の特性上、地下の資源をどう見せるかが課題」と語った。
八戸市の是川石器時代遺跡でボランティアガイドを務める村中健さんは「遺跡群の中で是川はどんな位置付けとなるのか、今後も知識を深めて正確な情報を伝えたい」と述べた。