Free医療的ケア児の支援相談窓口に 人材育成、実態調査も 青森県、県病にセンター開設
たん吸引やチューブによる栄養投与など日常的に医療的なケアを必要とする「医療的ケア児」の支援に向け、青森県は6日、青森市の県立中央病院内に小児在宅支援センターを開設した。小児や家族の相談支援、支援者の育成、実態調査などを総合的に行い、医療的ケア児が安心して生活できる環境の整備を目指す。
県が2019年に実施した調査によると、県内の医療的ケア児は166人。ケアを提供する保育施設は21年9月現在、12カ所(14人通園)で徐々に増加しているが、その他の保育施設や教育機関にとっては医療的ケアができる看護師の確保が難しく、受け入れが進まないのが現状。同病院成育科部長で、同センターの網塚貴介センター長は、ケアに関わったことがある人や支援経験者が圧倒的に少ない―と指摘する。
これまでは県内に総合的な相談窓口がなかったため、保護者自身が保育施設を探さなければならず、施設側から断られるケースも少なくなかった。一方、保育施設や学校側は支援経験が乏しく、受け入れに不安を感じているのも実情で、保護者や受け入れ側へのサポートが課題となっている。
同センターでは医師や看護師ら6人を配置し、相談支援だけでなく、支援を提供する保育施設への実技指導や助言などの人材育成、県内の実態調査や課題の分析、市町村との連携を図る。
医療的ケア児がいる地域や保育施設に直接出向き、相談に応じる「アウトリーチ(訪問支援)」に重点を置くのも特徴で、小児一人一人に応じて、きめ細やかな支援に取り組んでいく。 6日の開所式では、三村申吾知事らがテープカットを行った。網塚センター長は取材に「支援者の支援も目的の一つ。医療的ケアに関わる人を増やし、支援の輪を広げたい」と意気込みを語った。
問い合わせは小児在宅支援センター=電話017(752)9678=へ。メールアドレスはzaitaku_shien1@med.pref.aomori.jp