Free【新型コロナ】小中学校クラスター相次ぐ 感染気付かず登校、対策難しく/青森県内
新型コロナウイルスのオミクロン株が猛威を振るう中、青森県内では感染者数の高止まりが続き、特に4月中旬以降は小中学校での感染が広がっている。4月に発生したクラスター(感染者集団)のうち、約3分の1が学齢期の子どもが利用する施設に関連。感染しても軽症または無症状のため、感染に気付かずに登校するケースも少なくなく、集団で過ごす時間が長い学校生活での感染対策の難しさが改めて浮き彫りとなっている。
4月1~27日までに県内で発生したクラスターは80件で、そのうち23件が小中学校だった。感染は学校内にとどまらず、児童施設や習い事など課外活動の場へも波及している。
八戸市では計24件のクラスターが発生し、うち小学校6件、中学校3件、小学生が利用する児童施設1件と、学齢期の子どもに関連する施設が約半数を占める。
市保健所によると、子どもが発熱したものの、すぐに回復したために翌日から登校したところ、学校で感染が広がった―というケースも。市保健所は「熱が出た時や体調に違和感がある時は、慎重に判断してほしい」と呼びかける。
県感染症対策コーディネーターの大西基喜医師は、ウイルスの変異によって子どもも感染しやすくなっている点を挙げ、「症状のバリエーションが非常に多く、症状だけでの見極めは困難。教育の場では人と人との接触が多く、特に子どもの場合は完全な感染対策が難しい」と指摘。
5~11歳の小児ワクチンの接種率が伸び悩んでいることにも触れ、引き続き、子どもへの感染状況を注視していく必要がある―との認識を示す。
一方、高齢者施設や職場ではクラスター化が少ない。子どもと異なり、基本的な感染対策を身に付けていることや、ワクチン接種が進んでいる点が「感染が抑えられている理由ではないか」と分析する。