Free復興への誓い胸に 北奥羽各地で鎮魂の祈り/東日本大震災11年

東日本大震災から11年となり、犠牲者に鎮魂の祈りをささげる市民=11日、野田村
東日本大震災から11年となり、犠牲者に鎮魂の祈りをささげる市民=11日、野田村

約2万2千人の死者、行方不明者を出した東日本大震災から11日で11年となった。北奥羽地方では市民が犠牲者への鎮魂の祈りをささげるとともに、復興への誓いを胸に刻んだ。一方、震災を上回る被害が想定される日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震など、次の災害を見据えた対策も急務となっている。震災の教訓を忘れることなく、引き続き市民の防災意識を高める取り組みが必要となりそうだ。

 北奥羽地方最大の被災地となった野田村。村内では防潮堤のかさ上げ工事、高台移転、津波避難ビルや災害公営住宅の整備事業といったハード面は既に終了した。今後は被災した住民の心のケアなど、ソフト面の対策を継続して進める。

 2022年度は岩手県の津波浸水想定を基に防災マップを見直す。住民にさらなる注意喚起を図り、想定外の大規模自然災害が常に発生するという認識で、避難訓練や住民の防災意識高揚に努める方針だ。

 村では11日、大津波記念碑前に献花台が設置され、遺族や村民らが犠牲者の冥福を祈った。 取材に対し、小田祐士村長は「震災では28人の村民が亡くなった。皆さんの名前と11年の歩みを思い出しながら献花した。生き残った者の責任として、住民が一緒になって村を盛り上げていきたい」と意欲を示した。

 八戸市や三沢市、久慈市などでも犠牲者を追悼する催しが行われた。市民が哀悼の意を表すとともに、震災の記憶を風化させず、後世に伝える決意を新たにした。

 
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