Free「黒にんにく」健康効果に注目 関東圏中心に注文増、新型コロナ影響か

熟成が終わり房に小分けされる黒にんにく。健康効果が注目され、引き合いが強まっている=25日、十和田市深持の青森第一食糧
熟成が終わり房に小分けされる黒にんにく。健康効果が注目され、引き合いが強まっている=25日、十和田市深持の青森第一食糧

青森県が全国一の生産量を誇るニンニクを使った健康食品「黒にんにく」の需要が高まっている。新型コロナウイルスの感染拡大を背景に健康効果が注目されているとみられ、青森県黒にんにく協会の柏崎進一理事長は「免疫力アップや抗酸化作用などの効果が広く知られてきた結果で、大変有り難い」としている。
 青森第一食糧=十和田市深持=の畑山啓恵社長は、「2月ごろから問屋の注文が増え始めてきた。『コロナが心配だから免疫力を付けたい』という個人客からも電話注文が入っている」と、突然の需要増に驚いていた。
 同社は県内の道の駅や土産物店を中心に納品していたが、外出自粛の影響で県内向けの出荷にブレーキがかかった。代わりに増えたのが、関東方面のスーパーなどに向けた業務用や通信販売の注文。県外向けは前年同期の約1・5倍に伸び、県内分の落ち込みをカバーしているという。
 畑山社長は「県外の注文がなければ、つぶれてもおかしくない状況だった。感染が収まってからも黒にんにくの人気が定着してほしい」と語った。
 同協会は2008年に設立し、近年は世界サミットを開くなどして魅力を発信し続けてきた。コロナ禍で多忙となっている医療機関へも黒にんにくを寄贈しており、柏崎社長は「協会員の地道な努力で効果が世間に認知されてきた。意外な形ではあるが、さらに知名度が高まるきっかけになれば」と期待していた。
熟成が終わり房に小分けされる黒にんにく。健康効果が注目され、引き合いが強まっている=25日、十和田市深持の青森第一食糧

 
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