Free竹細工帆船に魅せられ 古川さん(八戸)制作

古川邦昭さんと製作した竹細工の帆船
古川邦昭さんと製作した竹細工の帆船

八戸市新井田の古川邦昭さん(77)は、40年ほど前に出会った竹細工の帆船の魅力が忘れられず、今も制作にいそしんでいる。細部まで精巧に作り込まれた帆船は趣味の域を超えた作品。船舶関係者にお祝いで贈ることが多いそうで、古川さんは「あげるのが楽しみで作っているところもある」と笑顔を見せている。
 船舶の電気設備工事の仕事をしていた古川さん。40年ほど前、仕事で知り合った船員が作った竹細工の帆船を見て、自分で作ってみたいと思った。船員から帆船を譲ってもらい独学で作り方を学び、以来10年ほど製作を続けた。
 仕事が多忙になったため一度制作から離れたが、75歳で退職したのを機に再び作り始めた。
 これまでに約20隻を製作。くぎや針金などの金具は一切使わず、竹だけで緩やかな曲線を生み出す。製作期間はまちまちだが、大きい船だと半年以上を要するという。
 写真やイラスト集を参考に作るが、飾ったときの見栄えを考えて、帆の角度や竹ひごの位置など一隻ごとにアレンジを加えるため、同じ船は一つとしてない。
 出来上がった船は、新築祝いやお世話になったお礼に贈ることが多く、現在手元にあるのは3隻のみ。「仕事柄、知り合いは船舶の関係者が多いので喜んでもらえる」という。
 竹細工の帆船の魅力について、「時間が経つと、竹があめ色に変化して味が出るんだ」と語る古川さん。最近は目が見えづらくなってきたが、次に作りたい船を尋ねると、「やっぱり日本丸。日本の船はいい。帆がかっこいい」とはにかんだ。
古川邦昭さんと製作した竹細工の帆船

 
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