Free”津波避難場所”にNTT久慈ビル NTT東と市が覚書締結

覚書に署名する(左から)後藤高宏支店長と遠藤譲一市長=23日、久慈市
覚書に署名する(左から)後藤高宏支店長と遠藤譲一市長=23日、久慈市

久慈市長内町の「NTT久慈ビル」について、市とNTT東日本岩手支店は23日、大津波警報などの発令時に垂直避難が可能な「一時避難場所」として使用するに当たっての覚書を締結した。市などは5月13日に住民対象のビル内覧会を開くほか、今後、ビルを活用した避難訓練も実施し、地域への浸透を図る。

 最大クラスの津波想定で、久慈ビル周辺の基準水位は6・5~7メートルと見込まれている。長内町エリアには垂直避難可能な施設が少なく、十分な耐震性も備える同ビルは、かねて住民から有事の避難施設として活用を求める声が出ていた。

 市とNTT東は昨年7月、災害に強いまちづくりなどを盛り込んだ連携協定を締結。久慈ビルの避難場所としての使用開始に向けた準備を進めてきた。

 一時避難場所として使用するのは旧棟の3階と屋上部分で、高さは3階までで10メートル、屋上で15メートル。収容人数は約340人。NTT東所有ビルの津波避難ビルとしての活用は東北地方で初めて。市は近く、指定緊急避難場所に指定する。

 覚書の締結は市役所で行われた。遠藤譲一市長は「ビルは堅固な建物で、避難所として使えるのは住民の安心につながる」と述べ、NTT側の理解、配慮に謝意を示した。NTT東岩手支店の後藤高宏支店長は「高い建物が少ないエリアで、少しでも地域の皆さんの安心・安全に貢献できるのではないか」と語った。

 
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