Free高度な技法の茶室完成 大山建工(五戸)が千葉工大内に施行

大山建工の大工が手がけた茶室=22日、千葉県習志野市の千葉工業大
五戸町の大山建工(大山慎司社長)が、千葉工業大津田沼キャンパス(千葉県習志野市)内に茶室を施工した。国重要文化財に指定されている歴史的な茶室の写しとして、青森県産材も使用して寸法をそのままに建築。若い大工を中心としながら、高度な技法が詰まった空間に仕上げた。
同大に造った茶室の名称は「青灯亭(せいとうてい)」。元になったのは大阪府の水無瀬(みなせ)神宮にあり、後水尾天皇から下賜されたと伝わる「燈心亭(とうしんてい)」で、風流な茶の湯の趣を持ちつつ、形にとらわれない遊び心もあるのが特徴だ。
大山建工は、県内外で茶室を手がけた実績を設計事務所に認められ、40代の棟梁(とうりょう)ら4人が青灯亭の施工に参加。昨年12月から3カ月かけて建築した。造ったのはキャンパスの20階で、展望ラウンジの一角を改修。茶室自体は伝統的な造りだが、入り口に当たるにじり口を設けないなど特徴的な構造も見られる。県産のスギなども使われている。
同大によると、学生や教員が伝統文化に触れる機会とするほか、来訪した外国人へのもてなしなども目的に建築。担当者は「格式が高い感じがして素晴らしい出来栄え。教育や研究にも生かしたい」と話した。
大山社長は「日本の伝統文化に触れるものを造らせてもらえたのはうれしい限り。今後も技術を継承していきたい」と強調。「県外への県産材のアピールにもつながったと考えている」と語った。