Free収量維持へ人工授粉作業盛ん 南部町の温室サクランボ
青森県内で唯一サクランボの温室栽培を手がける南部町大向の留長果樹園(留目秀樹園主)で、人工授粉作業が本格化している。今年は2月下旬からの天候不順で開花が進まず、生育や作業が昨年より1週間程度遅れている。昨夏の猛暑の影響による収量不足なども懸念される中、高品質生産に向け温度管理の徹底を図る。
加温ハウス4棟約30アールでは、県独自品種「ジュノハート」をはじめ、「佐藤錦」や「紅さやか」を育てる。咲き始めは2月25日ごろと昨年より1週間程度遅め。寒さや曇天が続いたことが要因と考えられる。
開花の遅れに伴い、授粉作業も同程度遅い今月3日に開始。7日は約20度に保たれたハウス内で、留目園主ら5人が着果数確保に向け、人工授粉機を手に作業に励んだ。ミツバチも白い花の間を活発に飛び回っていた。
猛暑の翌年は規格外品が多いほか、露地栽培では1、2月の寒暖差で凍害の発生も不安視される。留目園主は「先の読めない天候だが、生産管理に努める。晴れ間が広がるよう願う」と話した。
授粉作業は今月20日ごろまで続き、収穫は4月下旬以降を見込んでいる。