Free養殖漁業の可能性探る 八戸で勉強会
八戸市が取り組む「八戸水産アカデミー」内に設置されている「つくり育てる漁業専門部会」は23日、市内で漁業者向けの勉強会を開催した。県外の養殖事業者2社の代表を講師に招き、八戸での養殖漁業事業化の可能性を探った。
講師を務めたのは、海面でのカキ養殖事業を行う「リブル」(徳島県)の岩本健輔代表と、陸上完全養殖でエゾアワビを生産する「元正榮北日本水産」(岩手県)の古川季宏社長。それぞれが事業成功への過程や養殖漁業の利点、課題について提言した。
リブルの岩本代表は、カキの市場は東南アジアや中東、アフリカなどへの展開が期待できるほか、無給餌で済むため「ランニングコストが少なく挑戦しやすい」と強調。アプリなどを活用し、養殖漁業をスマート化することで失敗しにくい漁業の実現を目指す点なども紹介した。
元正榮社は、大船渡市で採卵から成貝まで一貫生産する自社のアワビを「三陸翡翠(ひすい)あわび」としてブランド化した。古川社長は陸上養殖について▽天災リスクの軽減▽漁業権が不要▽自然環境を壊さない―などの利点を挙げたほか、持続可能な水産業実現の必要性を説いた。
講演会には八戸地域の漁業者や漁協関係者ら64人が参加。2人の講演に先立ち、青森県側が漁業権の仕組みについても説明した。