Free免税事業者との取引「これまで通り」6割超 インボイス制度で青森県内企業アンケート
民間信用調査会社の東京商工リサーチ青森支店は25日、10月から始まるインボイス(適格請求書)制度に関する青森県内企業のアンケート結果を公表した。制度開始後、インボイスの発行登録をしていない免税事業者との取引について、「これまで通り」は65・3%で、「取引しない」「取引価格を引き下げる」の回答が合算で1割弱あった。
アンケートは8月1~9日にインターネットで実施し、県内に本社を置く54社(個人事業主を除く)を集計した。
現行では、売上高1千万円以下の零細事業者やフリーランスは「免税事業者」で、消費税を納めずに済んでいる。制度開始後は、インボイスの発行登録をすると「課税事業者」となり、消費税負担が生じる。免税事業者のままでいることも可能だが、その場合、税負担は発注元が負うことになる。このため、取引を減らされたり、値引きを迫られたりする恐れがある。
免税事業者との取引に関し、「取引しない」「取引価格を引き下げる」の回答はそれぞれ4・1%。同支店は「こうした動きが強まると、制度開始時に免税事業者への影響が出る可能性もある」と指摘する。「検討中」は26・5%だった。
インボイス制度の認知については、「だいたい知っている」が最多の59・3%で、「よく知っている」は33・3%。「知らない」と答えた企業はなかった。
インボイス発行事業者の登録を「申請した」との回答は88・2%で、「しておらず、する予定はない」は3・9%。インボイスの受領の準備が「完了していない」は36・0%だった。
同支店は「制度開始が迫っているが、登録しない事業者や免税事業者との取引の方針が決まらない企業も多く、開始時に混乱が生じる可能性も出てきた」としている。