Free青森県内倒産31件、負債117億円 12年ぶり100億円超 23年上半期 

民間信用調査会社の東京商工リサーチ青森支店は4日、青森県内の2023年上半期(1~6月)の倒産状況を発表した。負債総額1千万円以上の倒産件数は前年同期比10件増の31件。負債総額は103億6100万円増の117億6200万円で、11年以来12年ぶりに100億円を超えた。食品スーパーを経営する「佐藤長」(弘前市)と関連会社が6月、約70億円の負債を抱えて民事再生法の適用を申請し、全体を押し上げた。

 産業別では、小売業が最多の9件(前年同期比7件増)で、建設業7件(3件増)、サービス業6件(増減なし)と続いた。農・林・漁・鉱業、製造業、卸売業は各2件。金融・保険業、不動産業、情報通信業は各1件だった。

 倒産原因は、販売不振が27件(14件増)で全体の9割近くを占めた。赤字累積が2件、他社倒産の余波、取引先の打ち切りもそれぞれ1件あり、不況型の倒産が目立った。このうち、新型コロナウイルス関連は20件(11件増)。

 地域別では青森市が11件(4件増)と最も多く、弘前市9件(5件増)、八戸市3件(増減なし)だった。このほか、県南地方では、上北郡2件、三沢市、三戸、下北両郡各1件。

 同日は、6月の倒産状況も発表した。倒産件数は10件(5件増)、負債総額は90億4700万円(84億9300万円増)だった。

 同支店は、コロナ関連融資などの各種支援策の終了や返済の本格化に差しかかり、倒産増勢が強まっていると指摘。先行きについて、「原材料価格の高騰や人手不足によるコストアップも重なり、資金繰りに苦慮する企業が増えているのは明らかで、今後も倒産が増える可能性は十分高い」と危機感を示した。

 
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