新型コロナウイルスの感染拡大を受け、八戸市の八食センターは２６日、ゴールデンウイーク（ＧＷ）期間の２９日から５月６日まで、全館を臨時休業することを明らかにした。食品小売市場である八食は、一部を除いて青森県による休業要請の対象には当たらないが、県外からの来場者が多い観光施設の要素を踏まえて営業自粛を決めた。佐藤隆司理事長は取材に「八食で従事する人の命を最優先に考えた」と話した。
　２４日に開いた緊急理事会で休業方針を決定し、２６日の全体集会で組合員やテナントの関係者に説明した。１９８０年に開業した八食が、８日間の長期にわたって休業するのは初めてという。営業再開後は感染防止対策を強化する方針だ。
　八食の来場者数は年間約２７０万人で、県内の観光施設の中でトップ。ＧＷ前後の１３日間では例年１７万人以上が訪れており、盆や年末年始と並ぶ書き入れ時のため、関係者からは営業継続を求める声も多かった。
　だが、県外客の増加が予想される状況では、感染リスクが高いと判断。佐藤理事長は「従業員の健康や安全の確保を第一に考えて苦渋の決断に至った。万が一でも、八食から感染者を出すことは防がなくてはならない」と説明した。地元客に対しては「大変申し訳ないが、了解をいただき、営業再開後に足を運んでもらえれば」と理解を求めた。
　３月下旬に市内で感染者が確認されて以降、八食は客足が減少し、緊急事態宣言が全国に拡大されてからは、さらに売り上げが落ち込んだ。一部の店舗では、既に臨時休業や時短営業に踏み切っている。