Free「亀花邦」を県基幹種指定 黒毛和種雄牛、「第1花国」の息牛/青森県

青森県基幹種雄牛に指定された「亀花邦」(県提供)
青森県基幹種雄牛に指定された「亀花邦」(県提供)

青森県は22日、県基幹種雄牛に黒毛和種の「亀花邦(かめはなくに)」を指定したと発表した。県産牛の評価を一変させた県基幹種雄牛「第1花国」が父で、県内では2008年に指定された「第2花国」以来、16年ぶりの息牛となる。多様な繁殖雌牛に交配でき、発育や体深・体幅に優れているため、肉質や肉量の産肉能力だけでなく、体形面の改良も期待できるという。凍結精液は県内の生産者向けに、4月から販売・供用される。

 県基幹種雄牛は、肉質や産肉能力に優れた種雄牛で、凍結精液が県内の和牛生産者に広く活用される。県産業技術センター畜産研究所が実施した検定で指定基準を満たし、21日に開いた県和牛改良推進協議会で認められた。指定は2年ぶり15頭目。

 亀花邦は18年11月14日生まれで、生産者は六戸町の小野寺邦男さん。父の第1花国は、02年の全国和牛能力共進会で子牛が全国6位を獲得したことで、その血統が全国で注目を集め、低迷していた県産子牛価格を全国上位に押し上げるなど産地形成に大きく貢献した。

 島根系の遺伝子保有率が高く、近年主流の兵庫系や鳥取系などとの交配に適しているという。母の「みゆり」は鹿児島県からの導入牛で、分娩(ぶんべん)間隔など繁殖能力にも優れている。

 子牛の検定成績では、皮下脂肪厚や脂肪交雑、上物率(4等級以上の割合)、5等級率で好成績だった。中でも雌の上物率は100%を記録した。

 青森県畜産課の村井孝生課長は「県を代表する第1花国の息牛が県基幹種雄牛に指定されたことは大変喜ばしい。子牛価格が低迷する中で起爆剤になってほしい」と期待を込める。

 
お気に入り登録