Free【八戸三社大祭】「お還り」の神輿行列厳かに
青森県南地方最大の祭り、八戸三社大祭は3日、「お還(かえ)り」を迎え、3神社の神輿(みこし)行列と華麗な山車が八戸市中心街を練り歩いた。4年ぶりに復活した合同運行も、今年はこれで見納め。沿道の観客は厳かな行列と極彩色に輝く山車の伝統美に魅了され、八戸のまちは感動に包まれた。
三社大祭は1721(享保6)年、法霊社(現龗=おがみ=神社)から長者山三社堂(現長者山新羅神社)まで神輿を渡御したのが起こり。2020年に発祥300年目を迎えたものの、新型コロナウイルスの影響で合同運行は3年連続で見送られ、今年は久々に神輿行列が観客の前に威容を現した。
お還りの合同運行は午後3時、神明宮、新羅神社、龗神社の順番で同市鍛冶町を出発。神楽が一糸乱れぬ歯打ちを見せ、虎舞が軽快に動き回るなど、郷土芸能が行列に花を添えた。
勇壮な山車が登場し、趣向を凝らした仕掛けを広げると、観客から大きな拍手が沸き起こった。八戸は猛暑日となったが、子どもたちは熱さや疲れを吹き飛ばす勢いで「ヤーレヤーレ」と声を張り上げ、山車を引く手にも力がこもった。
この日は、山車の運行を補助するエンジンのトラブルにより、上組町若者連が参加できず、26台の運行となった。三社大祭運営委員会によると、入り込み数は19年より5万3千人少ない15万2千人だった。
◆4日の見どころ◆
【後夜祭】八戸市中心街と市庁前市民広場にライトアップされた山車が集結。各山車組によるお囃子(はやし)も披露され、祭りはフィナーレを迎える。時間は午後6~8時。市庁前市民広場では午前11時~午後9時に「おまつり広場」を開催する。