Free「新時代」カボチャがデビュー むつ市長も初競り立ち会い
海藻のアマモを肥料に活用し、むつ市がブランド化を目指すカボチャ「新時代」が28日、市場デビューを迎えた。八戸市中央卸売市場で初競りが行われ、1個(3・2キロ)7万円の最高値が付いた。生産の中心を担うむつ市の関係者は「地域や若者が希望を持てる野菜になってほしい」と期待を込めた。
新時代は前むつ市長の宮下宗一郎青森県知事が命名。「一球入魂かぼちゃ」と同じ1株1果採りで、品種は「ダークホース」「プリメラ」など。アマモを使うことでミネラル分が豊富な土壌にし、出荷時の糖度を通常より3度ほど高い15~16度に仕上げる。今時期は甘さと栗のようなホクホク感があり、市は両ブランドともPRしていく方針。
28日は下北カンブリア農場(同市、常田嘉一郎社長)の2・5~3・2キロのダークホース15個が上場され、最高値以下は2万~4千円で取引された。今年は主に県内流通を予定し、収穫は11月ごろまで。
上々の滑り出しに、沖二昭宏農場長は「ますます気持ちを引き締めなければ。反応を見て、今後の生産体制を整えていきたい」と意欲を新たにした。初競りに立ち会った山本知也市長は「若者も農業に明るさを見いだせるだろう。新たな挑戦を続け、世界に発信していければ」と力を込めた。
1番手の落札は八戸市の青果卸売業「南部青果」で、2021、22年にも一球入魂かぼちゃを最高値5万円で競り落とした。伊賀大貴野菜次長は「海藻が味にどう作用するのか気になる」と興味を示した。販売先となる同市の生鮮食品スーパー「やまはる」の中野浩二常務も「まだ食べていないが、味が楽しみだ」と語った。