Free適切に価格転嫁できる環境を 岩手県内12団体が共同宣言
原材料・エネルギー価格の高騰を受け、岩手県に関係する経済団体や労働者団体、行政機関の12団体は12日、企業がコスト上昇分を適切に価格転嫁できる環境を整え、地域経済を活性化させるための共同宣言を発出した。各団体が連携し価格転嫁に関する機運を県内で高めるとともに、事業者の経営安定や生産性向上への取り組みを支援する。
中小・小規模事業者が原材料費やエネルギーコスト、人件費の上昇分を十分に価格転嫁できていない現状から、価格転嫁の円滑化を図り、従業員の賃上げや人材確保を進めるため、必要な環境を整える狙い。
県が県内の商工会議所、商工会の会員の一部を対象に実施した「エネルギー価格・物価高騰等に伴う事業者の影響調査(2023年5月分)」によると、回答527事業者の約75%が、必要な価格転嫁ができていないとの認識を示した。
共同宣言には、県商工会議所連合会や県商工会連合会、県中小企業団体中央会、連合岩手、東北経済産業局、岩手労働局、県などが名を連ねた。
相互連携により、事業者への価格転嫁に関する支援策を講じるほか、各種情報の共有、大企業と中小企業の取引価格の適正化を図る「パートナーシップ構築宣言」の普及・拡大を図る。
盛岡市で同日開かれた署名式には12団体の代表者らが出席。達増拓也知事は、県が新設した賃上げなどを支援する補助事業を挙げながら「環境に即応した経営革新の取り組みや賃上げが広がり、多くの事業者が地域経済の活性化をけん引する企業に成長するよう期待したい」と述べ、各団体に連携を呼びかけた。