Free巻き網船のマイワシ漁好調、八戸前沖に漁場形成
大中型巻き網船団によるマイワシ漁が好調だ。16日にあった、八戸港への今季初水揚げ以降も断続的に入港があり、数量は半月で4千トンを超えた。漁場は三陸沖を徐々に北上しており、29日には八戸前沖で漁獲した384トンが市場に上場された。漁業では燃油の高騰が不安視されていることから、近場での水揚げを関係者が歓迎している。
今季の初水揚げは昨季より3週間ほど早く、19日には約1500トンの漁獲があるなどハイペース。八戸市水産事務所によると、28日までの数量は3810トン、金額2億1451万円。29日の水揚げ分を足すと数量は4千トンに届き、既に22年の年間数量1万705トンの半分に迫る勢いだ。
各船団は、三陸沖や北海道東沖でマイワシを追っていたが、八戸前沖にも反応があるとして10カ統が同港へ集結。28日夜から操業し魚影を追った。水揚げしたのはそのうちの6隻。漁獲量は船によって数トンから百数十トンと幅広かった。
入札の結果、10キロ当たり621~545円で取引。捉えた群れによって、30~50グラムの小型主体や、60グラム前後の中型主体などばらつきがあり、サイズが大きいほど高値傾向だった。加工業者など8社が仕入れており、市内外に流通する。
市場関係者によると、29日夜から30日にかけても操業の予定。「大きめのサイズが少し混ざるようになり、脂乗りも良くなってきた」と好感触を得ていた。